歴史
- 約4万年前:イタリア南部の遺跡から石器の接着剤として使われた痕跡が発見されています。
- 紀元前4200年頃:古代エジプトでミイラの防腐処理剤として利用されました。
- 紀元前100年頃:古代エジプトでは亜麻の糸に蜜蝋を加えて灯明として使われました。
- 紀元前3世紀:ギリシャやローマでは、パピルス草や薬を束ねたものに蜜蝋を塗った灯明が寺院で使用されていました。
- 5~15世紀:エジプトでは蜜蝋は通貨としても使われていました。
- 中世ヨーロッパ:宗教儀式用のロウソクとして、教会で蜜蝋が盛んに生産されました。また、家具や楽器の手入れ、クリームの材料としても重宝されました。
成分
ミツバチの種類や蜜源によって成分の比率は異なりますが、人間の皮脂にも似た保湿成分として知られています。
- ワックスエステル(70%):主成分で、人間の皮脂にも含まれる油分です。
- 炭化水素:ワックスエステルに次いで含まれる成分です。
- 脂肪酸:パルミチン酸など、飽和脂肪酸が含まれます。
- アルコール:ミリシルアルコールなどの高級アルコールが含まれます。
- 芳香成分:アルデヒド類やケトン類など、数十種類に及ぶ香りの成分が含まれます。
- ビタミン・ミネラル:ビタミン類やミネラル類も含まれています。
用途:蜜蝋バーム、練り香水、ヘアワックス、軟膏リップクリーム、キャンドル、みつろうクレヨン、みつろうラップ、ろうけつ染め、など
薬効
蜜蝋の主な薬効は、鎮痛・抗炎症・殺菌作用と、高い保湿・保護作用です。これにより、皮膚の炎症やかゆみを和らげたり、肌のバリア機能を高めたりする効果が期待できます。漢方では解毒・消腫・生肌の効果があるとされ、軟膏の基剤としても古くから利用されています。
鎮痛・抗炎症・殺菌作用
- 炎症やかゆみを鎮める効果があります。
- 殺菌効果があり、ニキビなどの肌トラブルにも役立ちます。
- 漢方では「黄蝋(おうろう)」として、皮膚の化膿や皮膚炎の治療に用いられる軟膏の基剤として使われます。
高い保湿・保護作用
- 肌に潤いを閉じ込め、外部の刺激から肌を保護するバリア機能が高まります。
- 肌を柔らかく保ち、乾燥を防ぐ効果があります。
- リップクリームやハンドクリームなど、保湿アイテムの原料として広く利用されています。
伝統的な利用方法
- 軟膏の基材:漢方薬の基材(例:紫雲膏、太乙膏、黄膏など)の基剤として、皮膚炎や火傷の治療に用いられています
- 止血:手術の際に、局部の止血に使われることもあります。
蜜蝋精製:蒸す場合のやり方
道具
鍋(蒸してやる場合は蒸し器)、耐熱ネット(耐熱温度100以上のもの)漏斗、耐熱ガラス、ボールなど(各サイズあると便利)シリコン型、油濾紙、キッチンペーパー(作業時に使う)
手順
- 蜜蝋を蜂蜜が残らないようにしっかり洗う。(蜂蜜がついていると固まりにくくなる)
- 耐熱ネットに入れて蒸す。(蒸し器が便利)
- バットに入れ冷却する。数時間後、水の層と蜜蝋の層に分かれる。
- 蒸す(細かいゴミなどが残ってる場合は再度蒸す)
- バットに入れ冷却する。数時間後、水の層と蜜蝋の層に分かれる。
- 耐熱ガラスなどで湯煎する。(手がついてるものが便利。洗うのが大変なので蜜蝋専用の容器を用意しておくと便利。床が汚れるため作業は外でやるのがおすすめ。)
- 漏斗、油濾紙などを使って蜜蝋をシリコン型に入れ、固める。
ポイント
- 蜜蝋を蒸すときに残る汁は冷凍保存することで春の分蜂の誘因液に使えます。
- 捕獲に使う場合は3までで良いですが、コスメなどに使う場合は7までやったほうが、より肌触りが滑らかになります。
やり方は人それぞれです。道具も方法も確立されている西洋ミツバチと違って、趣味や自給自足のための飼育者が多い日本ミツバチの養蜂の場合はこれが絶対というやり方はなく、飼育者がそれぞれ自分で工夫したり自分でオリジナルの道具を作ってる方もいます。動画もたくさんあるので、ぜひ自分のやりやすい方法を見つけて工夫してみてください。
